柿農家の夏しごと①

朝晩涼しく秋の気配が一段と感じられる今日この頃ですが柿農家の夏しごとについて振り返りたいと思います。

柿農家の夏しごとは主に「草刈り」「摘果」「誘引」「薬散」があります。
今回は「草刈り」と「薬散」作業について説明しようと思います。

【草刈り】
毎年5月頃から下草がワサワサ生えてきます。今年は暖冬のせいか4月下旬頃から草刈りをしなければなりませんでした。
草刈りをする目的は「風通しを良くする」「害虫の住処を無くす」「作業性を良くする」です。

風通しを良くする⇒風通しが悪く湿気がこもりがちな環境ほど病気の発生が多くなります。草刈りをすることで病気の発生を抑制することが出来ます。

害虫の住処を無くす⇒重要害虫であるカメムシは柿畑に入ってくる前に一度周りの雑草を中継します。草刈りをすることでカメムシの住処を減らし柿への被害を減らすことが出来ます。

作業性を良くする⇒不要な実を落とす摘果作業や枝の誘引、薬散作業を行う上で下草が生えていると作業性が劣ります。草刈りをすることで園内の移動やはしごの昇り降りがしやすくなります。

柿園の土手にあたる部分の様子です。草刈り前は雑草が生い茂り見通しが悪いです。

草刈り後、綺麗さっぱり、風通し抜群です。

園内の下草も刈ることで作業性が格段に良くなります。

草刈りは5~9月いっぱいまで半月に1度のペースで行います。真夏なので熱中症に注意しながらの作業となります。

【薬散作業】
美味しい柿づくりをする上で病気と虫の被害を如何に抑えられるかが重要なカギとなります。病気、虫共に活動が活発になる時期が5~10月です。
その期間、月に一度のペースで殺菌・殺虫剤を使い消毒作業を行います。
一口に病気と言っても「うどんこ病」「炭疽病」「落葉病」など様々な種類の病気があり発生する時期、生態環も異なります。当然それぞれに効く薬の種類も異なってくるので、どの薬剤をどのタイミングで散布すれば的確に効き、最小限の使用回数で収まるのかを考えながら防除計画を作成し、実行します。(殺虫剤に関しても同じです)

薬散作業は早朝または夕方に行います。住宅地が近く、畑のすぐ横を通勤・通学する人たちが通るので作業する曜日や時間帯に人一倍気を遣っています。

意外と「農薬」って高価な資材なんですよ…
殺虫剤に関しては目的の害虫以外も殺してしまう毒性の強い薬剤もあるので使うタイミングが非常に大事です。
農薬選びが最も神経を使う作業と言っても良いでしょう。柿づくりをする上で重要なポイントとなります。

次回は「摘果」「誘引」作業について説明したいと思います。
お楽しみに~。

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