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こんにちは、市川農園こせがれです。(2018.9.22)
今回は市川農園の栽培についての考え、というか今後こんな考えのもと美味しい果物・野菜を作っていきたいという思いを書いてみようかなと思います。
1. 旬、品種にこだわる
前回にも述べましたが野菜・果物の美味しさを決めるのは「旬」「品種」「鮮度」だと思っています。よって栽培する時期にこだわります。
例えば夏に大根やほうれん草は作りません。(というか海老名では難しすぎて作れません)
これって本来ならば至極当たり前のことなんですよね。
今の日本の農業技術は非常に高く、夏でも北海道や群馬・長野の高原産地で大根やほうれん草が美味しく作られ、素晴らしい物流システムにより鮮度を保ったまま都会のスーパーに並べられます。
たしかに季節を問わず食べたいものを食べたい時に食べられることは素晴らしいことです。
しかし、意識的に旬のものを食べることは今を生きる人にとって非常に重要な事ではないでしょうか?
寒さに耐えたふきのとう、春菊の苦みを味わいながら春を感じる。
陽射しをたくさん浴びたトマト、きゅうりをかぶりつき夏を感じる。
熱々に蒸かした薩摩芋、里芋をハフハフ言いながら頬張り、稔りの秋を感じる。
鍋の中でグツグツ煮えたネギ、白菜を食べ身体がポカポカしながら冬を感じる。
「旬を食べる」ことを通して四季を感じ、「美味しい」をカラダ全体で味わう。
これが自分にとって心身ともに健康になる一番の方法だと思います。
そしてこの想いを共有出来る人を少しずつ増やしていきたいと思っています。
品種も同様、美味しさを決める重要な要素なので、今後色んな品種を試験的に栽培していきその中で自分が「美味い!」と思う品種を選抜していきます。
そして、それをお客さんに試食してもらい、「美味しい!買いたい!」と思ってくれるような品種を増やしていきます。
2. 有機肥料と化学肥料を適切に使い分ける
大学時代は有機農業の知識をかじっていたこともあり、「化学肥料で作ると不味くなる、有機肥料でしか美味しい野菜・果物は作れない」と思っていました。
しかし、今の会社に入り様々な農家さんの畑を見てお話をしていくうちに美味しい野菜を作る農家さんの中に上手く肥料を使い分けている農家さんと出会いました。
肥料についての考えを下記のように分かりやすく教えてくれました。
「有機肥料は普段の食事、化学肥料はサプリメント、と捉えると分かりやすい。
基本的には有機肥料で元気な野菜を育てあげることは前提として、環境変化などで特定の栄養不足やここぞという時に体力を回復させたい場合にピンポイントで与えてあげる。」
重要なのは、作物によってどんな状態が一番ストレスがかからないかを考えながら肥料の種類や与えるタイミングを見極めること。
言葉で言うのは簡単ですが、「タイミングを見極める」ことがいかに難しいか。これを無意識で出来る農家は全国でどれほどいるでしょうか?そう多くはないと思います。
駆け出し農家の私でも痛感する事が多々あり、農業は頭を使う仕事だと日々実感しています。
天気を、土を、そして植物をよく観察し、記録し、良かった点悪かった点を蓄積し来年に活かす。
これらのことを淡々と愚直にやりながら、いつもこうしたらうまくできるんじゃないか、とトライ&エラーを繰り返す。農業はクリエイティブな職業だと言えるのではないでしょうか。
ちょっと熱く語ってしまい、話が逸れてしまいました。
肥料の話に戻りましょう。結論として市川農園では有機・化学問わず肥料を使います。
しかし、化学肥料は値段が高い(市販の有機肥料の方がもっと高い)のであまり使いたくないし、市川農園には肥料の代わりとなる沢山の資源があります。
我が園でとれる「もみ殻、米ぬか、竹チップ、木灰、腐葉土」を活用してコストをかけずにオリジナルのベース肥料を作りあげていく予定です。
今回はここまでとなります。次回は「農薬」を使用することについての考えを書きたいと思います。